Aus PG Open 2003
- 大会Report -

今回の日本チームは人数が多く2つに分かれた。
☆ ウサギさんチーム(ゴッドフリー宅滞在組)(イントラ混合チーム)
 宮田さん、エディさん、高木さん(オーパカイト)、伊尾木さん(グランボレ)、
岩村さん(グランボレ)、辻さん(Coo)、只野さん(TAK)、
回収ドライバーに加藤さん(ガン子ちゃん)(グランボレ)

☆カメさんチーム(キャラバンパーク滞在組)
 ムッシュ須藤さん、城所さん、前田さん、中目さん、小山さん、田子谷さん、(以上NASA)、
コレ男、中川(以上Team G)
田口さん(つくば)、中村さん(ルスツ)、
回収ドライバーに村上さん(NASA)

日本チーム総勢なんと19人!

カメさんチーム円陣 カメさんチーム準備万端

3月1日 天候は不安定
 さて、いよいよ大会開始!昨晩は前線通過で雨。ボラ山は車で上がれる状態ではなくクローズ。
勿論大会はキャンセル。午後は晴れていたが、風強し。
まださほどたまっていない洗濯をした後、多国籍混合でバレーボール。これが結構盛り上がる。
 バレーボールをしようと言ったのは、キャラバンパークのオーナーのエリック。
エリックに、日本人皆は、楽しく幸せな気持ちのまま日本に帰らなければならない、
 でないと俺が嫌だ…みたいな事を言われた。
どうすればこんなに優しくられるのだろうか、少し涙が出そうになった。
本当にいい奴だ。

でっかいハンバーガー フランソワーズ エリック
HQでのブリーフィング

3月2日 Task1
 朝方寒くて目が覚めた。いきなり風邪をひきそうだ。夜半は風が強かったが朝は快晴。
しかし、ボラ山に上がると1500mのところに、6〜7度の逆転層がある。
こんなエマグラム見たこと無い。度々タスクブリーフィングが延期される。
ウィンドダミーもさっぱり上がらないまま、いよいよ3:40ゲートオープン。
COBBADAHまで48.4kmのストレートタスクだ。
ここは先手必勝と思い早めにTO。
順調にゲインするものの、やはり逆転層は壊れていない。
サーマル離脱のタイミングが少々ずれてしまった。
ピークを越え少し低くなってしまってから、トランジットを開始してしまったのだ。
その頭上をブーメラン3が越えてゆく。グライド性能もスピード全く別物だ。
尾根を上がってくるリフトを少しずつ拾い、距離を稼ぐ。
尾根が切れた所で、センタリングしていると、後から来た前ちゃん、中目さん、TOMO、城所さんと合流。
 小さなサーマルを育てていたのだが、あえなくロスト。高度の無い私は少しでも距離を伸ばすためグライド開始。
中川13km72位。そんな渋いコンディションの中30.6km飛んだメグタンはこの日3位。
コレ男107位。ムッシュトップランし127位。距離が伸びなかったため、
さほど点差がついていない、まだまだこれからだ!

今日の一言:サーマルをロスとした時は、風上へ流せ!

ブリーフィング ウェイティング
ブリーフィング

3月3日 Task2
 9時から、HQで昨日の結果発表、メテオブリーフィングを行う。10:30ボラ山TOに到着。
風は北東。エリック(キャラバンパークのオーナー)が作るサンドウィッチを食べ、昼食にする。
これが6AU$なのに、めちゃうま。メテオ情報によると1700mに2度の逆転層。…上手くすれば抜けるかなぁと思った。
TASK2は、TOから南へ約16.7km
STEGGA Mtがターンポイント1。ターンポイント2はINT50KMという場所、
この2ポイントを回り、GOALはGODFREYS HOUSEのトータル50.4kmのトライアングルTASK。

TASKをMapケースに書込

14:40ウィンドオープン後、すぐに田子谷ンは果敢にTOするも、あまり上がっていない。
有力選手も含んだ何人かがいきなりBom Out!(ぶっとび!)。
高層雲が張りサーマルが弱い。弱気になってはいけないと思い、TOエリアへグライダーを持って行きセットアップ。
しかしその後3度もスタチン。ラインに枝が絡まるし、どんどん焦ってくる。
見知らぬ外人さんや、亜希、ガンコちゃんのヘルプを貰い無事TO。
TO後はさほど苦労は無く雲底に着ける事が出来た。前ちゃん、中目さん、正ちゃんを確認。
小さなサーマルを乗り継ぎコマを進める。途中低くなったとき宮田さんと合流。
 しかしさすが宮田さんそこからの展開が早い。エンダー、レッド、ボルキーもいる。
なんとかターンポイント1を取り、MANILLAの町の方向へ流す。
しかし、ここからは渋い状況が続く。皆で助け合いながらサーマルを乗り継ぐ。
MANILLAの手前で田口ちゃん、中目さんがLD。MANILAの町を越えた辺りで、TOMO,城所さんがLD。

Manilla上空 前方にTOMO 田子谷ンと…

残るは前ちゃん、コレ男と私、その他4機ぐらいで先へ進む。
やっとこどっこいターンポイント2を取り、上げ直しといったところでLD。
中川35.5km32位。宮田さん1位。コレ男21位。前ちゃん26位。ムッシュ98位。
 今回のスコアリングシステムはGAPシステムといって、
ある一定の人数が、決められた一定の距離をクリアーしていなければ、
トップに1000点は、つかない計算方式となっている。
ターンポイントの回り方、GPS使い方は勉強になった。
 GPSで次のターンポイントまでの距離と実際の位置の関係が感覚的につかめていない。
ターンポイントは最小限に回らなければならない。実はターンポイント2は2回取っていた。大きなミスだ。

 今日の一言:ターンポイントは、効率よくゲットせよ!

3月4日 Task3
 高層雲が張り出した。TASK3は、MULLALEYまでの83.4km。行ったきりのクロカンタスクだ。
昨日の様にターンポイントを気にすることは無い。
オーガナイザーの指示で北TOに集められ、ブリーフィング。1:30ウィンドオープン。
今回はTOは少し様子を見ることにする。
やはりトリッキーでTO前のグライダーの明暗がはっきり分かれている。半分ぐらいはBom Out。

ゲートオープン

タイミングを見ていたが、そろそろ出たくなったのに、
前にグライダーをセットした女性が、さっぱりTOしようとしない。それならばと、
田子谷ンと私は場所を変えTO。ラッキーな事にTO後すぐにサーマルゲット。
それにしがみつき2200m雲底につける。
 尾根裏で、城所さんと田口ッチャンに合流するも上手くサーマルに乗れず、どんどんおいていかれる。
焦らず、ここは気を取り直しマイペースに飛ぶことにする。
しかし、なんだか今日は(も?)上手くサーマルに乗れない。
途中何度も低くなりながらもなんとか、雲の吸上げを利用しGUMMEDAH GAPを南からアプリ-チする。
GAP手前で低い高度で横切る輸送機を発見、勘弁してくれよ!田子谷ンと共にGAPを越える。

前方田子谷ん GUNNEDAHまで送ってもらった親子

越えた瞬間、北西のサイドアゲインストでなかなか前に進まない。
その後は3つサーマルを乗り継ぐも、あえなくLD。
下りた家の人が寄って来たので、丁重に挨拶するとGUNNEDAHまで送ってくれるとの事。
親切な人でよかった。その人の家はひたすら広大で、何処までがその人の土地か分からない。
送ってもらう車の中で建築をやっていると言ったら、是非家を見ていけと言われたのだが、
回収者が来るからと丁重に断った。石造りの家で100年以上経っているとの事、本当はちょっと見てみたかった…。
GUNNEDAHのメインストリートまで送ってもらい、回収車に電話。
無線を開けてバーで、ビールを飲みながら待っていると、田子谷ンと城所さんもヒッチでGUNNEDAHまで来ていた様。
思ったより早く回収車が到着し、回収完了。
中川45.2km48位。宮田さん7位。城所さん27位。田子谷ん38位。コレ男63位。ムッシュ104位。
夜は、大会主催のBBQ。いろいろな国のパイロットが沢山いて、なかなか楽しい。

今日の一言:自分以外は、全機ダミーだ。

3月5日
 前線通過で午前中は風が強い予報。13時まで待つが風は落ちず。今日はキャンセルが決定。
カメさんチームの面々はコアラパークへ行ったみたい。私はキャラバンパークでゆっくり時間を過ごす。

キャラバンパークがベース コアラ
キャラバンパーク キャラバンパークでくつろぐ

大会ルールでトップが合計4000点に達しない場合、3月8日を予備日として使うらしい。
帰りのチケット1日ずれてしか取れなくて良かった。

今日の一言:何が幸いするかわからない。

3月6日 Task4
  昨日の雨で、地面が湿気を帯びているせいか、湿度が高く、いつものマニラとは違う。
風向きは東から南東少々強めに吹いている。発表されたタスクは北西101kmのKAINDOOL。
今回もすぐにはTOせず、ゆっくり目に腰を上げる。

ゲートオープン TOウェイティング
ゲートオープン数分後

ボラ山山頂でサーマルが終わる(流されているのか…?)。
思い切って西の平野の方へ流し、なんとか次のサーマルのガーグルまで届いた。
雲底まで上げトランジット開始。南東の風を背負い流して行くものの、なかなか次のサーマルまで到達しない。
先行しているメグタンと田口ちゃんは、相当低くなっていると無線機が悲鳴を上げている。
しかし、その方向にしか突っ込めない。
まだ高度があったので、少々楽観的に突っ込んで行くが、高度はどんどん無くなり、かなり気まずい。
メグタンが低くなって居る次の尾根で、田口ゃんと共に勝負。
尾根沿いを慎重に探ってみるが、騙しっぽいブローしかなく、
あげくの果てにはショットっぽく上がったサーマルに翼端が潰され戦意喪失。
回復させられないコラップスではなかったが、いかんせん山肌が近すぎて、少々ヒャッとした。
 降りたところは、小高い丘というより山の上。回収道路まで約7km。
田口ゃんと合流し、とぼとぼと約2時間歩く。さすがに疲れた。

カメさんチーム回収車


メグタンとTOMOは一つ手前の尾根で雲底まで上げきり、頭の上を越えて行った。
中川22.8km97位。コレ男86位。ムッシュ127位。

今日の一言:焦ってはいけない。迷った時はダミーが多い方へ行くべし。

3月7日 Task5
 今日も大気は不安定。ボラ山TOに上がると南東方向約15kmにシャワーが見える。
 しばらくすると、北西方向スプリットロックダムの方もシャワー。シャワーに挟まれた。
こんな状況でゲートオープンするのかなぁ、なんてノホホンとしているうちに、タスクブリーフィング開始。
サンダーストームの危険があるため西に60.8kmの
 BanBaarへのショートタスクが発表された。城所さん曰く今日はボーナスタスクとの事。
後ろからどんどん黒い雲が追いかけてくるような感じがした。

準備OK 亜希TO

パイロット達は慌ただしくどんどんTOして行く。負けずにTOし難なくサーマルゲット。
雲底に近づけば近づくほど吸い上げが強くなるので、雲底カツカツのレベルで雲に入らないように、
翼端を潰しアクセルオン。ファーストサーマルはいいタイミングで離脱できた。
雨がぽつぽつ降る中でのフライト。無線によると先行組も雨の中いう連絡が入る。
右の尾根沿いは雨が降っているが、吸い上げで高度ロスが少ないようだが、
雨が降っている方にはどうにも行きたくない。日射がある回収道路沿いを飛ぶ。
先行している赤いNOVAをダミーにしサーマルを探る。
4WAYSというポイントにさしかかった時にダミーがピッチアップ。よしこれで助かった!と思い、
NOVAの下に潜り込むが、自分のグライダーは正常滑空を止めようとしない。
NOVAは天へ向かいどんどん小さくなって行き、こっちは地面がどんどん近づいてくる。
仕方なく左右のブレイクコードをひく。痛恨のLD。決してコース取りが悪かった訳ではなかった。

悔しくもLD LDの風景

もう1サーマルあれば、もう20kmは伸びたはず。「たら」「れば」を言い出すと、きりが無いが悔やまれる。
 どんどんスコアーが崩れて行く。無事回収されゴールに行くとなんと大量41名がゴール。
かめさんチームは、田口ちゃん、田子谷ん、城所さんがゴール。なんだか無性に嬉しくなり堅い握手を交わした。
中川16.5km80位。コレ男92位。ムッシュ105位。

今日の一言:サーマルをもっと上手く捕まえられるようにならなければ!。

カメさんチーム城戸ちゃん、田口チャン、田子谷んゴール
回収途中、虹をバックに
TOMOと 夕飯を終えて

3月8日 Task6
  昨日に引き続き大気が不安定。発表されたのは、マニラの周辺を回る52kmのサーキットタスク。

ブリーフィング HQにてブリーフィング

西又は南西南の風。TO後トップアウトするもなかなか高度が取れない。
高度を落とさないようにサーマルと共に流して行ったまでは良かったのだが、
気が付くと北へ流され、スタートシリンダーを出てしまった。
スタートを切り直そうかとも考えたが、効率が悪すぎる。
少々落胆したのだが、一緒に回しているのが、グレッグ・コリンズ(昨年のマニラオープン覇者、NZトップランカー)
だと気が付いた瞬間、心が少し軽くなった。さてどうする!?
彼をとにかくマークしなければと思った瞬間、さほど高くない高度のまま、尾根裏にこぼれた。
リーサイド側のサーマル狙いだ。すぐに理解は出来たものの、アバックスRSとオメガの性能差は歴然。
気が付くと、1サーマル簡単に離された。こちらの捕まえたサーマルは形がはっきりせず、トリッキーだ。
レベルキープも出来ない。うまくピックアップしてもらえれば、リフライトが可能かもしれないと思い、
少しTO方向に戻り、リフライトが出来る5km以内にLD。
ここで諦めはいけないと思いつづけたのだが、リフライトの為にTOに戻った時には、
残念ながらランチクローズの時間は過ぎていた。日が傾き木々の長くなった陰を見ながら、
 LDまでBom Outしている時の空しさったらなかったなぁ…。
これで終わり…と思いながらLD。
中川4.1km121位。コレ男92位。ムッシュ58位。

今日の一言:コースに対してサイドの風の時は、一旦風上に回りこみ上げなければ、効率は上がらない。

夜は、表彰式&打ち上げパーティー。
色々な国のパイロットとPWC茨城で再会する事を誓い夜は更けていった…。
 ちなみにチーム優勝は、PWCパイロット、イントラ、地元を良く知るパイロットで
チームを組むという禁じ手を使った宮田さんのチームが優勝した。

ファイナルパーティー 、だんだん皆壊れて来ました・・・

これで、初参戦したコンペも全て終わった。後半はサーマルの位置がどんどん解らなくなってきていた。
いろんな焦りもあった。気だけは張っていたのだが、やはり体力不足は否めない。
オーストラリアオープンに参加するために、1日8時間残業を1週間こなしたのも、原因の一つなのかも知れない。
勝てない言い訳は尽きないが、GPSの使い方、コース取り、気象の変化、サーマルの探し方、
等々本当に色々勉強になった。
叶う事なら来年もう一度、もっと体力をつけ挑戦したいと思います。

 

公式大会Resultsはこちら


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