CLOUDSTREET特別企画
『2度目のフルマラソン』
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エコシティー 第31回つくばマラソン参戦記 ―
プロローグ
さて、ジョギングを始めて2年が経ちました。
元々のスタートが、太りすぎて体力が落ちきった場所、すなわちマイナスからのスタートだったわけです。
2年間走ってきたとはいえ、同世代の一般の方々と同じ体力レベルに達したかといえば、
決して、胸を張って首を縦に振る確信はもてません。
だからというわけではありませんが、他の多くの大会にエントリーする訳ではありません。
でも、つこのくばマラソンは、スタートラインまで歩いて行けるという恵まれた環境にいます。
そういう事もあり、昨年に引き続き、生涯2度目のフルマラソンにエントリーしました。
昨年は、迷いに迷いやっと決心し、レイトエントリーしたわけですが、
今年は、早々に出場を決め、つくば市在住、在勤、在学者のみに適用されるアーリーエントリーのシステムを利用しました。
今年は、コースや大会の雰囲気も分かっているつもりだし、
昨年と異なり、もう少し集中して走れるはずです!?
準備
そろそろ、2足目のランニングシューズ、GEL-KAYANO16-SWもボロボロになってきました。
(ちなみについ先日、新しいKAYANO-18が発売されたので、2サイクル前の靴になってしまいました。)
ソールは磨り減り、かかとの一部はクッション材まで侵食しています。
内部のかかとの部分も、ウレタン材が出てきてしまっていて、
いい加減限界に来ているようです。
限界に来ているGEL-KAYANO16-SWのソール | ボロボロになってしまったインナー |
一応この辺は織り込み済みで、
昨年GEL-KAYANO17-SWが発売され、GEL-KAYANO16-SWがアウトレットに出されたのを見計らい購入、その後温存してあります。
(定価の約2/3の価格でした。)
ジムのトレッドミルで数回履き、慣らし運転済なので、今回の大会でこのシューズをデビューさせる予定です。
このクラスの比較的クッション性の高い初心者用のランニングシューズは、
asicsの場合、中国やベトナムで、生産されている物が多いのですが、
何故かこのGEL-KAYANO16-SWのこのカラーのみ、日本で生産されたのです。
一足目の中国で生産されたGEL-KAYANO16-SWに比べると、縫製の処理の仕方や、
ソールの左右の精度などは格段に良いような気がします。
これらがこのシューズを気に入っている理由だったりします。
今までの2足をカバーしてくれたインソールもボロボロになったので、新しいものに交換。
熟考した結果、今まで使ってたものと同じものにしました。
Tシャツの下に着るアンダーアーマーのコンプレッションも2年着るとボロボロになり、
全くコンプレッションが効かなくなってしまったので、これも新調。
これを着ないと、絆創膏を貼らない限り、チクビが擦れて大変な事になってしまいます。
前日は・・・
大会途中で、エナジーチャージできる市民マラソンのレベルでは、必要ないとも言われていますが、
今回も、軽くカーボローディングし、前夜はパスタでカーボローディングを締めくくりました。
今年もSAVASの完走セットを用意、おまじないのようなものです | こんなカッコで走ります |
事前に送られてきたゼッケンをTシャツに付け、
タイム計測の為のランナーズチップをランニングシューズに取り付けます。
途中で補給するジェルをウェストバックに入れ、準備万端です。
さていよいよ大会当日
スタート3時間前に食事を済ませるため、5時30分に起床。
軽く朝食を終え、テーピングを施しました。
8時前に家を出て、徒歩20〜30分で、スタート地点の筑波大へ到着です。
高層雲が張ったどんよりとした空です。風もほとんど吹いていません。
スタート位置に着きます | 今ひとつ緊張感がありません!? |
とりあえず、長蛇の列になっているトイレに並び、用を足します。
防寒のために着ていた服を脱ぎ、軽くウォーミングアップ。
スタート直後は、ペースが上げられず、そこがウォーミングアップになるので、
スタート前は身体が冷えない程度のウォーミングアップで十分です。
スタートブロック G の先頭 | Gブロック
の先頭には 風船を付けた5時間のペースランナー |
ストレッチを施し9時過ぎにスタートブロックに付きます。
8ブロックあるうち、今年はGブロックからのスタートです。昨年より1つ昇格!?
Gブロックの先頭には、5時間のペースランナーが居ます。
しかし、なんだか昨年のようには各ブロックが埋まりません!?
トイレが混んでいて、スタートにつけないとか・・・?そんな事は無いよなぁ等と考えていました。
スタート
|
9時30分スタート時間の前に、列は動き出しました。 GPSのスタートボタンを押そうとした瞬間 |
さて、昨年の経験からか、 美しい紅葉の筑波大学構内をぬけると、 |
|
スタート直後はまだまだ元気 |
意外と調子は悪くない
最初の給水ポイントです。昨年の失敗を教訓に、喉の渇きを感じなくとも積極的に給水します。
その後すぐに4:30のペースランナーを追い抜きます。
西大通りに出たので、少しランナーの密度が下がるかと思っていたのですが、
意外と抜きにくい状態でした。
今回は、サブ4.5の目標を掲げ大会に臨みましたが、走り出してみると意外に調子は悪く無いことに気付きました。
ならば、昨年のように初めからペースをおさえるのではなく、1`5分35秒前後のペースを目処に、どこまで行けるかトライしてみようと考えました。
ちなみに計算上では、1`5分40秒で、サブ4が達成できるペースです。
8kmを越えた「西大通り入口」の交差点を左折すると、軽く下り坂になるので、
地形を利用し、軽くペースアップしようと思ったのですが、やはりランナーの密度が高く、
なかなかペースが上がりません。
しかし、焦る必要はありません、大勢の波に飲まれながら、淡々と走っていました。
15kmを過ぎると景色は田舎道の様相を呈してきます。
ここまでは、「無の境地」というとかっこよすぎますが、何も考えずに走ってきました。
16km〜17km辺りで折り返してきた先頭のランナーとすれ違いました。
やはり、去年のペースより早いことが実感できます。
それからは走りながらいろいろな計算が始まりました。
スケベ心がムクムクと・・・
折り返しのパイロンを通過し、ちょうどハーフの位置で時計を確認したところ、
1時間58分台、2時間掛かっていなかったのです。(ネットタイム。)
私には出来すぎなペースです。
もちろん、残りの後半戦を同じペースで走る事は、不可能に近いことは明らかです。
では、どのくらいのペースで走ればいいのか。そんな事誰にもわかるはずありません。
ならば、どこまでこのペースを続けられるか挑戦するチャンスが到来したと考えれば良いわけです。
幸いまだ身体のどの部分にも、異常を来たす兆候はありません。
そして、万が一このペースが続けば、サブ4の達成です。
そんなスケベ心がムクムクと頭をもたげてきました。
スケベ心満載で、後半戦のスタートです.
その後は、集中して何とかペースを維持します。
しかし、もちろん疲労は蓄積してきています。
それを証拠に、GPSでペースを確認する機会が格段に増えてきます。
確認していないと、すぐにペースが落ちてしまうのです。
今年もキロポストのメッセージには楽しませてもらいました その他のキロポストメッセージはこちらから |
突然の兆候
しかし、それは突然やってきました。
27km地点左足ハムストリングスに痙攣の兆候。
完全に痙攣してしまう前に、ペースダウン。
ウーンどうするんだよ、まだゴールまで15km以上あるよ。どうなっているんだよ俺のポンコツな足!!
・・・と心の中で叫んでも、時既に遅し。
よく「前半の貯金は後半の借金」と言いますが、まさにこの言葉通りに嵌ってしまいました。
それでもなんとか、痙攣の危機を脱し、走り続けます。
しかし、これまでのペースを維持するのは不可能です。
もちろん、ここで諦める訳にもいかず、騙し騙しゴールまでの距離を縮めていくしかありません。
魔の後半戦
ペースを落としているのにも関わらず、
左足のハムストリングスをかばっているせいか、今度は右のハムストリングスに痙攣の兆候。
再びペースダウン。
両足のハムストリングスの痙攣の危機を脱っしようと、
ハムストリングスの負担を軽減させる為に、
上半身を少し前傾させ、ランニングフォームを変えて走ります。
さてこれでどこまで行けるかと思って走り続けていると、
今度は右足の脹脛が痙攣しそうになり、さらにペースダウン。
それを誤魔化していると、次は左の脹脛がやばい状態。
本当に正直な足の筋肉たちです。
筑波大に帰ってきましたがここからが長い!ひたすら遠い! |
GPSに表示されるペースは、どんどんゴール到着時間が遅くなる事を意味します。
もしかしたら、去年のタイムより遅くなるかもしれないという恐怖にかられます。
そして、一年間何の為に走ってきたのかと思うと、情けなくって涙が出そうです。
筑波大に入ってからもその状態は続き、特に登り坂は歩いているスピードと変わりません。
それまで追い抜いてきた人たちの背中がどんどん遠くなっていきます。
やっとの思いでゴール
それでも何とか、ゴールにたどり着きました。まさに満身創痍でのゴールです。
ラストスパートなんて、滅相もありません。ゴール出来ただけで上出来です。
やっとゴール! 全く余裕無しです |
時間4時間24分45秒
ネット4時間18分11秒
1kmごとのラップタイム |
|||||||||
Lap | Time | Lap | Time | Lap | Time | Lap | Time | Lap | Time |
1 | 6.02 | 11 | 5.40 | 21 | 5.31 | 31 | 6.26 | 41 | 7.50 |
2 | 6.12 | 12 | 5.32 | 22 | 5.31 | 32 | 6.14 | 42 | 7.54 |
3 | 5.49 | 13 | 5.24 | 23 | 5.41 | 33 | 6.09 | 43 | 1.47 |
4 | 5.30 | 14 | 5.31 | 24 | 5.39 | 34 | 6.28 | ||
5 | 5.43 | 15 | 5.27 | 25 | 5.42 | 35 | 6.08 | ||
6 | 5.43 | 16 | 5.37 | 26 | 5.37 | 36 | 6.45 | ||
7 | 5.28 | 17 | 5.26 | 27 | 6.10 | 37 | 6.36 | ||
8 | 5.27 | 18 | 5.26 | 28 | 6.00 | 38 | 7.42 | ||
9 | 5.28 | 19 | 5.31 | 29 | 6.05 | 39 | 7.50 | ||
10 | 5.37 | 20 | 5.44 | 30 | 6.00 | 40 | 7.49 | ||
〜10km | 58.10 | 〜20km | 56.18 | 〜30km | 57.56 | 〜40km | 1:08.07 | 〜42.195km | 16.31 |
(GPSは、オートラップ機能が付き、給水などでストップすると、
タイム計測が止まるので、実際のタイムとは異なります。)
昨年より約20分短縮し、 しかし、前半のハイペースにより、 終わった後の体のダメージもかなり大きいです。 |
||
グラウンドコンディション 2011年11月27日(日) |
|||||
時刻 | 天候 | 気温(℃) | 湿度(%) | 風向 | 風速(m/s) |
9:30 |
晴れ |
8.0 |
59 |
WNW |
1.2 |
10:00 |
晴れ |
8.5 |
59 |
WNW |
2.6 |
11:00 |
晴れ |
12.0 |
53 |
NW |
2.4 |
12:00 |
晴れ |
16.5 |
50 |
NNW |
2.7 |
13:00 |
晴れ | 17.0 |
43 |
NW |
1.1 |
14:00 |
晴れ | 16.5 | 43 | WNW | 2.0 |
15:00 |
曇り | 14.0 | 48 | NNW | 1.3 |
15:30 |
曇り | 12.5 | 55 | WNW | 0.7 |
※フィニッシュラインで計測 |
エピローグ
終始高層雲が張った為に直射日光が射すことも無く、
グランドコンディションは14時の時点で16.5℃
風も全く強くなく、今年も絶好のマラソン日和でした。
個人的には、後半ペースダウンした為、途中で少し寒かったりしましたが、
昨年のように給水が追いつかなくなるようなことはありませんでした。
目標としていたサブ4.5は何とか達成することが出来ましたが、
30km手前のエイドステーションでおしるこを食べるという、もう一つの目標は残念ながら達成する事は出来ませんでした。
足は攣りそうになるし、全くそんな余裕はありませんでした。
末筆になりますが、運営スタッフの皆さんお疲れ様でした。
筑波大も震災の影響を受け、会場レイアウトも大きな変更を余儀なくされたそうです。
仮設トイレの数に対し少々クレームが出ていたようですが、仕方ないところもあるようです。
そして、応援してくださった全ての方へ感謝いたします。
本当に有難う御座いました。
その後・・・
今回のエコシティー
第31回つくばマラソンには、
10キロとフルマラソンの2種目に計13892人が参加したそうです。
つくばマラソンのHPによる実際の人数は、フルマラソンの場合…。
申込 12872名
出走 10953名
完走 10379名
だったそうです。
という事は、
登録に対する出走率は ・・・ 85.1%
出走に対する完走率は ・・・ 94.8%
相変わらず高い完走率はですね。
また、大会参加費の中から1人100円ずつを東日本大震災の義援金とし、
つくば市を通じて被災地へ送るとの事でした。
今年は、イベントでのこのような手法当たり前になりましたね。
ほんの少しでも貢献させて頂き嬉しいです。
筑波大学陸上競技場 | 応援してくれたMチャン どうも有難う! |
ゴール付近 |
翌日の筋肉痛はかなり酷かったです。
しかし、この痛み、少し懐かしかったりします。
そういえば、学生時代は部活で毎日筋肉痛だったり、疲労でどんよりと身体がだるかったり・・・。
そういう身体の状況がちょっと懐かしかったりします。
たまにはこういう感覚も悪くないです・・・!?
冒頭、『同世代の一般の方々と同じ体力レベルに達したかといえば、決して胸を張って首を縦に振る確信はもてません。』
と言いましたが、
結局、どの体力レベルに自分が居るのかと言うことが問題ではなく、
加齢により体力が低下してゆく中、どのように体力アップさせてゆくか、
または、維持するかという事が問題なのだと思います。
体力が無い事を理由に、新しい何かに挑戦しない自分を正当化しない様、
これからも体力維持に努めてゆきたいと思います・・・。