ASHIO XC CHALLENGE 2006
ー 序章 −
2006年4月8日 曇り

昨日の予報では、どう考えてもクロカンが出来るコンディションにはならなそう…。

5:30am、起きてみるとやはり昨日の予報は外れていない様だ。
ウ〜ン寝よ!二度寝を決め込む。

再び起きたのは8時頃、車に荷物を詰め込み、エリアに出発。
着いた頃には当然開会式が終わっており、ぶっ飛びコンディションの中、
大会に参加している選手を含め、すべてのフライヤーが順調にLDめがけてグライドしていた。
勿論大会は早々キャンセル。

自分も1本ぶっ飛ぼうかと思ったけれど、
強めの南西風が入ってくると言う予報もあり、
なんだか予報が当るような気がしたので、Flightを諦めることにし、
久しぶりに会うことになるPilot達をLDで待ち構えることにした。
Manilla Australiaでお世話になった若山さん、青木さん、ドライバーのぐっチョン。
久々(と言っても大して時間は経っていないけれど…)の再開はやはり楽しい!
昼過ぎからはAkiも合流。
陰とリンコちゃんが作る料理をつまみに、真昼間からビールを頂く。

2:00pmから、クロカンセミナーがあると言うことなので、
Shopに行って見ると、溢れんばかりの人が来ていた。
何とか自分の椅子を確保し、板さんのセミナーがスタート。

最近パラではあまり飛んでいないので…なんて謙遜しながら、
この時期足尾エリアから宇都宮方向にたびたび現れる、
コンバージェンスの話等を熱心にしてくれた。
移動性高気圧の前面などで、北西風ベースの時に、
日光連山を回り込んで、利根川沿いを吹き抜ける西風と、
那珂川沿いに吹く北風が宇都宮から筑波山にかけて、
コンバージェンスを形成するというお話。

その後前々回のクロカンチャレンジチャンピオンの関口のリーさん、ラムエッティー中川さんが講師になり、
楽しい話を聞かせてもらいました。
おまけで、最後に私も少々しゃべらせて頂きました。

関口のリーさんの講話 ラムエッティー中川さんの講話
私も少々しゃべらせて頂きました

Paragliderで、足尾から西方向へのクロカンはタブー!…とは言わないものの、
Flightした例は非常に少なく、皆頭の何処で西方向で距離を伸ばす事は無理!
なんて思っていたりするのではないだろうか!?。
こんなコンディションの時、足尾ではクロカンから八郷盆地1周狙いのFlightに切り替えることが多い。

この時、このセミナーの情報が今回のクロカンチャレンジの布石になるとは誰も思っていなかったはず。

TeamG小屋(通称G小屋)は飽和状態

その後夕方からは、再びアルコールを注入!
TeamG小屋(通称G小屋)は人が入れ替わり立ち替わり、居場所がないほど。
とっぷりと露天風呂に入り、11:00pmに車の中へ逃げ込み就寝。

Akiの就職祝い 何やってるの?Sue!

G小屋での宴は深夜2:00amまで続いたらしい…。





jjj

ASHIO XC CHALLENGE 2006
ー 未知の西方面、フラットランドへ −

2006年4月9日 晴れ時々曇り

6:30am頃目が覚める。昨日風呂帰りに買っておいた朝食を食べ、Flightの準備を整える。
TOでラインチェックがてら、ゼッケンを上面に張る。
10:00am頃ブリーフィング開始。

TOでウェイティング中

飛んでゆく方向を、西から北方向にFixし、回収の効率を図るとの事。
諸注意を受け10:30amゲートオープン。
フリーフライトでゲートオープン前にTOしたグライダーは、グングン高度を稼ぎ、
もう既に筑波に向かったらしい。
朝冷え込んだせいもあり減率はよさそうで、ゲートオープンして以来、
一機たりともLDに向かうことはない。前半に出た一団は一旦筑波方面に向かい、
高度2000m前後でスタートを切るという景気のいい無線が、次々と入ってくる。

いよいよ、12:00pmTO。順調に高度を稼ぐものの、ファーストサーマルは1200m。
サーマルトップが1200mと言うことではなく、もう既にそこが雲底なのだ!。
ン?無線で聞こえてきた先行情報とは、全く状況が異なっている。まずいぞ〜。
気を取り直し再び上げなおしにかかる。
(後で聞いた話だが、このタイミングでガストが入り、TOは一時クローズになったそうだ。)
Hang TO上空1360mで西へこぼれる。

この時、尾根上に川口さん、かこちゃん、Sue-san、のりーさんを確認。
かこちゃん、川口さん、それを追ってSue-sanは南西方向へグライド開始。
のりーさんは北西方向へグライドし始めた。
私は少々迷って、自分から近い方の雲を狙い、のりーさんの後を追う。
前方でリジットが旋回開始、のリーさんが旋回開始、その下に潜り込む。
桜川を越えたところ、対置高度約340mでセカンドサーマルをゲット。
強めの東南風に流されながら、1150mまで高度回復。新治駅東側で、水戸線、R50を渡る。
協和町900mでサーマルゲットこのサーマルで、約1800mまで高度回復。

二宮上空 鬼怒川上空

二宮を越え鬼怒川を越えた頃、今回の最高度雲底2130mまで到達。
自治医大の北側で東北新幹線を越える。この辺りは雲を伝って移動。

この間に併走していたのりーさんを見失う。
しかし、極力効率の良いグライドを心がけ、フォロー側へ流して行く。

フラットな地形を飛んでいると、Manillaを飛んでいる時の事を思い出した。
と同時に、建物や交通機関の発達の違い、文字通り人口密度の違い等が
手に取るように分かる。やっぱり、日本は狭い!!(いろいろな意味で…)

壬生辺りで、のりーさんを発見。東北自動車道を越える。
TOから直線距離で約45km弱、フラットランドを渡りきり対岸に到着したような気分だった。
再びのりーさんと共に、鹿沼市の西側を北上し始める。

フラットランドを渡りきる、後ろが日光連山 東側に赤岩を望む

しかし、全く飛んだことのない所なので、実際は全く何処を飛んでいるのか分からない、
というのが正直なところだった。
そろそろ赤岩エリアが見えてきてもいい頃なのだけれど、全く見当らない。
それもそのはず、西側に赤岩が見えてくるのかと思っていたら、
なんと赤岩の6km西を北上していた。

Flight時間が2時間30分を越え、少々集中力が低下してきた頃、
高圧線を2本越えなければいけなくなった。
十分警戒しなければいけないのだけれど、少々めんどくさくなり、
高度があるうちに高圧線をパスし、北上開始。
するとサーマルゲット、ラッキー!!1330mまで回復。東武日光線沿いに再び北上開始。

今市の街が見えて来た。低くなってしまったけれど今市に突入。
本当はもっと高度を稼いでから、市街地に突入したかった。
のりーさんと共にサーマルを探る、いち早くのりーさんは高度を稼いで行ってしまった。
私は撃沈。下ろすところも狭くスポットランディングを覚悟し高度処理開始。
対地高度残り100m、ショット気味に上がるサーマルにグライダーが引っかかった。
それも荒れ荒れ!下は人家だし、こんなところで緊パラを投げる訳にはいかない。
まして、絶対に落ちるわけにはいかない。
クシャン、クシャンとキャノピーが音をたてる、
ラインテンションは抜けるし、翼端はぶっ潰れるし、
かといって、グライダーコントロールをやめるわけにはいかないし、
でも何とか、1280mまで回復。再びグライド開始。

しかし、思うようにスピードが上がらない。
日光連山から吹き下ろす西風が強くなっている。
と言うか、今市の市街地上空で風がぶつかっていたみたい。
西風が強いと分かっていたら、もっとルートを西に向けるべきだった。
少々ルートを東に戻され、西風強風の中、アクセルを踏みながら、
ほとんど垂直降下、そして田んぼにLD。
TOより66.1km、約3時間40分のFlightでした。

結果的には、昨日の板さんセミナー通りのコンディションになり、
西方面の可能性を垣間見ることが出来た。


帰りは、シロウさんが回収に来てくれて、
本当に助りました。どうも有り難うございました。

今回のりーさんとはほとんど一緒にFlightしました。
うーんきっと、単独でFlightしていたら、ここまで飛べていなかったことでしょう。
楽しかったですよ〜!!

今回の西方面へのクロカンは、全く経験がなく、
本当に楽しいものでした。
しかし、土地勘がない分、ルート選択をミスしグライド効率を落としてしまったり、
カシミールで、軌跡をチェックしてみると、
実際と頭の中のコンパスが45度以上ずれていて、少々驚きました。
実際に飛んでいて、それに気づいた時は、もう遅かったって感じでした。

XC Flightは回収を前提に成り立っているわけで、
今回の回収隊は、ハンググライダー関係者の方が多く、
特にFlight中聞こえていた、回収無線は本当に心強ったです。

万全な回収体制は大変ありがたく感じました。
Staffの皆さん本当に有難うございました。そしてお疲れ様でした。



ASHIO XC CHALLENGE 2006
ー Awarding Ceremony −

2006年4月15日 晴れ

夕方17:00pmより表彰式だという事なので、NASAに行って来ました。
今日は風が強く、Paraでは飛んだ人がいなかったようで、
沢山の人がいたわけではありませんが、アットホームな雰囲気の表彰式でした。

こんなに沢山のPrizeを頂いたのは初めてで、
なんだか本当に嬉しかったです。

左から3位ちゃっぴーさん、優勝のりーさん、2位私、女子優勝和波うららさん

1位2位3位はAdvance Omega6と言うことで、Geneceさんからエスケープバッグ
Xinomacさんからの協賛品SUP'AIRの
Flying Jacket
賞状・賞金を頂きました。

公式結果はこちらから→
参加選手のログはこちらから→のりーさんの足尾バーチャルフライト




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