CLOUDSTREET特別企画

『テッペンとったる!!2011年夏』
2010年富士登山記録に続く 第2弾 ―

Paragliderの話ではないので、興味の無い方はスルー、スルー!

プロローグ…
体力が落ち、若いときの何の躊躇も無くできていた事も、
ハードルが高くなってしまった事が沢山ある。
歳相応にいろいろな事を諦めればいいのだけれど、それも何だかちょっと悔しい。
せめて人並みの体力を回復し、もう少し人生を楽しみたいと言う思いがある!?

一昨年はじめたジョギングのおかげで、ほんの少し体力も回復。
おかげで、昨年富士山登頂に成功した。
当初今年の夏は、富士登山を計画していなかったが、
友人が富士登山に誘ってくれたので、再度登ってみようと思った訳だ。

準備
昨年新調したトレッキングポールも、どうせ富士登山にしか使わないだろうと比較的安価なものを選択したけれど、
普段ホームエリアで、たまにHikeUpするときに使うようになったし、
まるっきり無駄にならなくて本当に良かったと思っていいる♪

昨年は雨に降られ、ウィンドブレーカーをレインウェア代わりにしたのだが、これが大失敗!!
全くレインウェアの役目を果たさなかったので、
今回はmontbell Shopへ行って、最も安価なウェアを購入。
最も安価なものなので、重量は少々重め。
昨年の富士登山で、悪天候の中では、かなり視界が悪くなる事を経験したので、
最も派手な黄色を選択。

それから、昨年の経験から、ヘッドランプの明るさをプアーに感じたので、
これも新調することにした。

当初、PETZLにしようかと思ったけれど、BLACK DIAMONDの方が安価なようだ。
BLACK DIAMONDには100ルーメンのものがあったけれど、単4電池が4本で110gと少々重い。
その下に単4電池3本で75ルーメン86gの物があったので、それにしようかと思ったけれど、
montbellには単4電池3本で91ルーメンのヘッドランプ(94g)を見つけ、それに決定。
しかも、値段も2900円と他メーカーに比べかなり安価だ。(ちょっと得した気分!?)

ザックは、昨年一緒に富士山に登ったM藤さんから、
deuterのAIR LITE 26をお借りした。
このザック、完全防水のうえ、ザックカバーが装備されており、
腰ベルトに小さなポシェット、カラビナをストックするためのループ等を備え、
ハイドロシステムにも対応している。
また、ALPINE BACK SYSTEMが有り、背中がが蒸れにくくなっている。
26gと小さいながらも、かなり多機能なバックパックだ。

ウィンドブレーカーはレインウェアーで代用する事にし、
極力荷物を減らし、重量と言うハンデを背負わないようにした。

後は、
昨年とほぼ変わらない装備を準備した。

計画
今回は、誘ってもらった方なので、計画は受動的。
昨年も登っているので、辛さも分かっているつもりだ。

ルートは、富士宮口ルート。
新五合目(標高2400m)まで車で行き、そこから、山頂を目指す。
歩く距離は他のルートに比べ最も短いが、直登するようなルート、
最初から急斜面なのだ。

いよいよ出発
9月10日に本栖湖近くの民宿に宿をとり、十分に睡眠をとる。
明けて9月11日昼に予定通り、20歳前半の最も若いメンバーが合流。
彼の友人である女性のメンバーが体調を崩したらしく、急遽参加を取り止め。
結局5人で山頂を目指す事となった。

お昼は白糸庵でそば

私の愛車サーフとHillさんの車を、スカイアサギリに置かせてもらい、Kさんのアルファードで、
富士宮へ行き、食料や足りない備品を買出しに行く。

初めて富士宮へ行ったけれど、富士山のこんな近くで生活するのも悪くないなんて思った。

そのまま、新五合目まで行き、高度順応を兼ねて、ゆっくり登山の準備を行う。
新五合目からの眺めは十分美しく、
西の地平線近くの雲に太陽が沈み、それを追いかけるように、東の空からは満月の月が昇り始めた。

月はのぼるし 日がしずむ・・・ 新五合目より

日没後のマジックアワー

暮れなずむ富士宮の街並に、ポツリポツリと明かりが灯りだす。
それらの明かりが、集まり出すと、
地図と同じ、駿河湾の形が小さな光の集まりで形成されだした。

新五合目は、思ったより気温が低く、寒い。
登山用に着替えをしたのだが、登り始めはTシャツの予定だったが、
全く予定通りには行かず、ウィンドブレーカーが欲しくなった。
私はウィンドブレーカーを省略し、レインウェアを代用しようと思っていたので、
仕方なく、ザックからレインウェアを出し、それを着込む。

出発
とりあえず、「使用前」と言うことで、全員で写真を撮り、

当然まだまだ元気!

20:00頃、KさんとHillさんと私の3人で編制された先発隊が出発。

六合目

30分も歩かないうちに6合目に到着。ここまでは比較的高低差も無くピクニックのようだ。
新五合目で寒く感じた気温も、歩き出すと汗ばんでくる。
着る物を調整するのが大変だ。

小休止をとり、新七合目を目指す。
しかし、新七合目へ行く登山道は、バリケードで封鎖されている。

通常、富士山は7月1日に山開きし、8月の末までがシーズン。
6合目の山小屋は、営業していたけれど、
新七合目以降の山小屋は閉鎖されていて、トイレも使えない状態だ。
夜中だし男性の小用は、とりあえず問題なさそうだけれど…。

さて、封鎖されているバリケードの横を抜け、
いよいよ急斜面になった山道を登ってゆく。
ここからは、自己責任というか、救護所も開いていないので、
怪我をするわけにいかない。

今日は満月。ヘッドライト無しでも山道は十分明るく、
また、月光に照らされた富士山は神秘的で美しい。

折角ヘッドランプも新調したのだけれど、明るいヘッドランプで山道を照らすより、
薄暗い5ルーメンの電球色のLEDに切り替える。
これで十分だ、と言うよりそのほうが歩き易かったりする!?

新七合目
23時前、新七合目に到着。
ゆっくり登ると、身体が温まらず、早く登ると汗ばんでくる。
この辺を調節しながら、先行させてもらう事にした。
コツコツとポールを突きペースメイクする。

元祖七合目
元祖七合目到着。時間は午前零時。

後発隊の2人と合流。この2人のペースは速い。
その後はこの3人でモクモクと山頂を目指す。

八合目
その後、八合目に着いたのは1時20分頃。

ここで栄養補給?!
買ってきたSOYJOYを出すと、案の定気圧の関係でパンパンになっていた。

その後は、5時過ぎのご来光に合せるため、
ペースを調整しながら登る。
到着が早すぎると、ご来光を待っているうちに、
身体が冷え、寒い思いをしなければいけないからだ。

時に、夜景の綺麗なところでは、写真を撮りながら、登り続ける。

富士宮の街の夜景をバックに月光に照らされる鳥居

中央やや下にオリオン座 中央やや左にスバルが見える
満月で、それほど多くの星を見る事は出来なかったが、
コンデジでもこれくらいの星は撮影可能。

九合目
九合目に到着したのは、3時前。

九合目もう少し!・・・しかしキツイ! 随分西に回り込んだ満月。
手前をヘッドランプを点けた登山者が通る。

いよいよ空気が薄くなり、目がチカチカしてきた。
これも高山病の一種なのだろうか!?
電球色のLEDランプを使っていたので、オレンジ色に見えるはずなのだが、
山道が、緑色に見え、目がちかちかしてくるのだ。

時に体のバランスが崩れ、後ろにひっくり返りそうになったり、
通常の状況とは明らかに異なる身体の変調があった。

酸素カンは用意していったが、身体に変調をきたした時は、
登るペースを落とし、大きく息をすうようにし、凌いだ。
勿論それでもどうにもならなければ、酸素カンを使おうと思っていたけれど、幸いそこまで酷くはならなかった。

九合五勺
3時45分九合五勺到着。時間的にはご来光に間に合いそう。
しかし、空気は薄いし、ここからがまた辛い。

山頂到着
4時45分頃山頂到着。勿論神社も小屋も開いていない。

いよいよ東の空が白み始めた

とりあえず寒さ対策のため、汗を掻いたシャツを脱ぎ、新しいシャツに着替え、ダウンを着込む。

ご来光を見るために、お鉢を東側に回り込む。
そして間もなく登ってくるご来光を待つ事に。

ご来光までもう少し
来た来た、来ました。
いよいよ出ましたご来光

その後は、軽く食事を済ませ、lancilさんとT君は、そのままお鉢回りに出かけた。
私はと言うと、エネルギーが切れたのか!?
身体が温まらず、そして動かなくなってしまったので、ウィンドシャドーを見つけ、日光浴しながら体力を回復。
気が付くと30分ほど眠ってしまっていた。

剣ヶ峰
身体が温まり、少し動くようになったので、とりあえず剣ヶ峰へ行くことにした。
最後の急な登り坂を登っていると、Hillさんから連絡が入った。
Kさんは9合5勺でギブアップ、Hillさんは登頂したものの体調が良くないらしい。

剣ヶ峰到着。ここが本来の富士山頂、標高3776mの地だ。
そして、1999年に役目を終えた富士山レーダードーム跡地でもある。
ここで、「日本のテッペンとったぞ!!」と叫んでおいた。
…心の中で。

剣ヶ峰 剣ヶ峰の富士山レーダードーム跡地
三角点の表示 標高3776m
「テッペンとったど!」と
心の中で叫んでおいた!?
岩の上の赤いペイントが
標高3776mの測定点

体力も回復したので、私もお鉢回りしようかと思ったけれど、
郵便局や売店は開いていないし、
何より先に下山している人を待たすわけには行かないので、
そのまま戻る事にした。

剣ヶ峰から見たお鉢

暗いうちは、小用を足すのは何の問題も無かったけれど、
山小屋が閉鎖された富士山は、明るくなってしまうと、かなり大変。
森林限界はとっくに超えてしまっているし、隠れる場所が全く無い。

下山
その後、お鉢回りをした2人と合流し、そこからはひたすら下山。
足の裏や、膝が少々痛むものの3時間30分で新五合目まで下山完了!!
終わってしまえば、楽しいばかりの富士登山でした。

8:30am下山スタート 12:00pm新五合目到着

富士登山には、
「一度も登らぬ馬鹿…。二度登る馬鹿…。」
と言う言葉があるらしいですが、
昨年に引き続き、これで「二度登る馬鹿…。」になりました。

満月だったので、降ってきそうなほどの星と言うわけには行きませんでしたが、
満月の発する月光は神秘的だったし、流れ星もいくつか見る事が出来ました。

そして、ご来光を見ること。
剣が峰標高3776mへ行き、「日本のテッペンとったぞ!!」と叫ぶこと、
と言う昨年誓ったリベンジを果たすことが出来ました。

次回は、装備を整え、登りだけの富士登山をしてみたいなぁ…。
と思う次第です。



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